百鬼夜行絵巻1(赤鬼ほか)

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青鬼の前を行くのは赤鬼。大幣を持っている。赤鬼と青鬼は、節分の行事でセットで出て来ることが多い。鬼にはそのほか、黄、緑、黒もあり、それぞれが人間の五つの煩悩を体現しているとされる。ちなみに赤鬼は、貪欲をあらわしている。

この赤鬼は、大幣をふりまわして、白い布をかぶった獣を叩きのめそうとしている。獣の脚にはするどい爪が見えるが、どんな獣なのかは、この絵からはわからない。

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さまざまな妖怪が描かれている。右側上部には、龍頭の旗を掲げた白狐の妖怪、その下は払子の妖怪、更にその下は鰐口の妖怪、払子の前は小袿を着た犀の妖怪。左側は浅沓の妖怪と琴の妖怪。

白狐は稲荷の眷属として瑞祥をあらわす場合が多いのだが、それが龍頭の旗を掲げているのはどういうわけか。払子は僧が法要の時に使う道具、鰐口は仏堂の正面、さい銭箱の上部に吊るされているもので、これを鳴らして祈りごとをする。浅沓は公家の履物。琴の妖怪には、トカゲの下半身が付属している。






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