日米貿易合意は安倍政権のトランプへの選挙応援

| コメント(0)
ニューヨークでの国連総会にあわせて設定されていた日米貿易協定。この結果について安倍政権はウィンウィンといって、さも日本側にも利益があるようなことをいっているが、日本側が一方的に譲歩させられたということは、中身をよく読んでみれば、中学生でも気が付くことだ。日本側からアメリカに与えたのは畜産物などの関税をPPT並みの水準におまけしてやること。一方アメリカが日本に与えたものは、無いに等しい。安倍政権は、もしかして仕掛けられるかもしれない日本からのアメリカ向け自動車輸出への制裁が、今回はかけられなかったことを以て、日本側の成果のようなことをいっているが、それは現在ないものが、今後もないままになったというだけの話で、日本側が新たに獲得したものでは、毛頭ない。

そんな無理筋のことを国民に向かって言わなくてはならない安倍政権は、自分のしていることに多少は引け目を感じているのだろうか。どうもそうは思えない。安倍政権は、トランプを喜ばせたこと自体に達成感をもっているのではないか。トランプと言えば、アメリカの大統領として日本のご主人みたいなものだから、多少の無理筋を通してやるのは、臣下としての礼儀とでも思っているのだろう。割を食ったのは、日本の畜産農家だ。TTPと同じものをアメリカにもプレゼントしただけのことだから、そんなに気を揉むことはないと慰める連中もいるが、そもそもTPP自体農家の犠牲の上で成り立っているものだ。そのTPPは、与えるものがあって得るものもあるが、今回の日米貿易合意は与えるばかりで、得るものはなにもない。

これが不平等協定であることは、小学生でもわかることだ。そんなことを安倍政権がしたのは、トランプのために選挙応援をしているようなものだと批判する人もいる。小生もその批判に同意見だ。それはともかく、そこまでして日本の畜産業の利益を無視できるのは、安倍政権が畜産業を見放していることのあらわれだろう。畜産農家の票数は少ないし、かれらの怒りを買ったところで、政権があやうくなる恐れもない。そう思っているからこそ、安倍政権は畜産農家をひどい目に合わせても平然としていられるのだろう。

これは、沖縄の人びとと同じことを、畜産農家も味わされていると言ってよい。沖縄の連中が多少騒いだとて、そんなものはアメリカ様のご機嫌をうかがううえでは、何の障害にもならない。そう思っているからこそ安倍政権は、沖縄の人々の言語にあらわせぬほどの苦痛を屁とも思わないでいられるのだろう。





コメントする

アーカイブ