悪あがきは見苦しい:東京都の札幌五輪マラソンへの抵抗

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先日、東京五輪のマラソン競技を、アスリート・ファーストの見地から札幌で開催するというIOCの方針が伝えられるや、東京都の知事はこれに大きく反発。そんなに涼しいところでやりたいなら、北方領土でやったらどうですかと、わけのわからぬことを言い出して世間の失笑を買ったところだが、今度は又、別のことを言い出した。暑さ対策というなら、マラソンの開始時間を繰り上げて午前五時にしたらどうかとか、復興五輪という名目を掲げているのだから、札幌より東北の方が相応しいのではないか、といった意見を知事の意向を受けたに違いない東京都の役人どもが言い出したと言うのだ。

東京都と都知事は、自分たちの頭越しに札幌開催が決められたことがよほど腹立たしいと見える。特に都知事は、都議でさえ知っていたことを、一番最後になって知らされたことが、どうしても許せないと思っているようだ。そこが女の怨念、あれやこれやと理屈をこねまわして、IOCの方針を攪乱してやろうというような鼻息が伝わって来る。女の鼻息というものは、あまり見られた代物ではない。

五輪まではもう一年もない。その短い時間に、札幌開催を準備するだけでも大変なのに、その方針自体に異議を唱えるというのは、大人のやることではないだろう。面子をつぶされた形の知事の怒りはわからないでもないが、これ以上、IOCの方針に逆らってばかりいるのでは、後々迄禍根を残すことにはならないか。

いまの都知事の言動は、普通の人間には、かなり異様に映る。これは、なんとでもして自分の意見を押し通そうとする権力者の横やりのように映るのだ。あるいは、悪あがきのようにも映る。悪あがきは、誰にとっても見苦しいもの。老嬢の癇癪などと、笑われるのがオチだ。妙齢の女性には穏やかさが似合っている。





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