吉永小百合は最後の大スター

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小生が吉永小百合の映像を始めてみたのは中学生の時のこと。映画館に足を運んで「キューポラのある町」という映画に出ている彼女を見たのだったが、その時の彼女の演技というか、彼女の表情に、釘付けにされたことを覚えている。この映画の中の彼女は、まるで観音様のように慈悲深く見えたものだ。小生は、子供心に吉永小百合が好きになり、以来半世紀にわたって彼女のファンであり続けた。その吉永小百合に密着取材した番組をNHKが放送するとあって、小生は夕食をそそくさとすませて、テレビ画面に見入った次第だった。

番組は、吉永小百合の半生を追いながら、一方で、現在撮影中の映画における彼女の演技ぶりも紹介していた。彼女は今年74歳になる。その年で全霊を込めて演技に熱中する彼女の心意気が如実に伝わって来た。たしかに彼女は演技に熱中しているのである。彼女自身は、演技は作るものではなく、それ自体を生きるものだというようなことを言っていたが、そうした心掛けが、彼女に熱中をもたらすのであろう。その熱中が人々を興奮させ、古希を過ぎてなお主役を張り続けている原動力になっているのであろう。

彼女はまだ年より随分若く見えたが、実際には体のあちこちに故障が出ているらしい。だから演技がつらくなることもあるという。それには最近の映画作りが、昔とはずいぶん違ってきていることも影響しているようだ。昔は一発勝負の演技で、比較的短時間で作ったものだが、いまは、一つのシーンをとるにも、なんどもカットを重ねるという。そのカットの中から使えるものを選んでモンタージュするということらしいが、そんなやり方をとるよりも、かつて黒沢がしたように、複数のカメラで同一のシーンをとり、そこからモンタージュするという方法もあるのではないかと、素人考えを思い浮かべたりもしたが、予算の制約とか、色々事情があるのかもしれない。

吉永さゆりと並んで小生がファンになったのは美空ひばり。ひばりのほうは母親に影響されたという事情があったが、吉永さゆりは純粋に小生の心から好きになった。ひばりは昭和の歌姫と言われたが、吉永さゆりは、日本最期の大スターと呼ばれているそうだ。その吉永さゆりも、寄る年波には勝てないのだろう。この映画が最後かもしれないと言っていたが、その一方で、できることなら今後も映画に出続けたいとも言っていた。本音だろうと思う。小生もそのように願っている。





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