ジャーナリスト強姦事件と従軍慰安婦問題に通底するもの

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元TBSジャーナリストによる強姦事件は、刑事事件としては司法の門前払いにあったが、民事事件としては、「同意なき性行為」が認定されて、倍賞金の支払いを命令する判決が出た。そのことについて小生も、このブログで私見を披露したところだ。小生はこの問題に接して実に不愉快な印象を持ったのだが、その印象は判決後の加害者の言動によっていよいよ強まった。この加害者は、あくまでも「合意の上での性行為」だったといって、被害者をうそつきよばわりしているのである。いったいどういう神経でそんなことを言えるのか、小生には腑に落ちないのだが、どうもこの男は、自分を過大に評価しているようなのである。その過大な自己意識が、このように高圧的な姿勢に通じていると思われるのだ。

この男には応援団があって、その連中に励まされているというではないか。その応援団には自民党の政治家とか、有名なテレビ人もいて、その連中が、加害者を励ます一方、被害者をおとしめている。その貶め方をどうも楽しんでいる気配さえ感じられる。まともな人間なら、そういうことをやるはずがないと思われるところだが、この連中には、そうした常識的な思いは通じないらしい。要するに、自分を強い者に見立てて、弱い者を相手にいじめを楽しんでいるふうにしか見えない。実にグロテスクな眺めとしかいいようがない。

この事件の成り行きをみているうちに、小生はいわゆる従軍慰安婦問題との共通性のようなものに気づかされた。従軍慰安婦問題では、これを人権の問題として受け止める姿勢が日本人には欠けているのではないかと、思わされるところがある。そうした人権軽視の考え方が、今回の強姦事件でもあらわれた。従軍慰安婦を意識的に貶める連中は、彼女らは売春婦だったので別に気に掛けることはないのだと、声高に叫ぶのだが、それと同じように、今回被害者を貶めた連中も、被害者の女性の落ち度ばかりをせめて、加害者の行為の犯罪性には一切かまうことがない。まるで男が女を姦淫するのは、強姦であれ和姦であれ、自然にしたがった当然のことだといわんばかりである。あるいは日本という国にとってそれが公序良俗なのだといわんばかりである。

実になさけない眺めというほかはない。日本人の一部に存在するこうした野蛮な傾向のために、日本人全体が野蛮で下劣なスケベ種族と思われるのは心外である。





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