TIME今年のPerson of the Yearにグレタ・トゥンベリを選出

| コメント(0)
POY.main_.jpg

米誌TIMEが恒例のPerson of the Yearに、今年はスウェーデン人の16歳の少女グレタ・トゥンベリを選出した。彼女は、先日の国連集会の場で、地球の存続のために人類が立ち上がることを訴えて一躍世界の注目を浴びた。だが彼女のそうした活動は、急ごしらえのものだったわけではなく、何年も前から行ってきた活動の集大成だったということだ。つまり彼女は、年少にかかわらず、筋金入りの活動家なのである。その彼女を小生などは、今年のノーベル平和賞にもっともふさわしい人と考えていたが、最近のノーベル財団は、目がきかなくなったと見えて、彼女を選出することはなかった。TIMEが彼女を今年のPerson of the Yearに選出したことは、TIMEの良識を感じさせる。

翻って日本の某環境大臣は、口先と実行とが一致せず、口策では格好いいことを言っておきながら、実際には化石燃料をまき散らす立場に与していることが「評価」されて、某有名機関から「化石賞」を授与されたそうだ。本人はそれを名誉なことのように言っているらしいから、それはそれで一貫した態度というべきだろう。人間大事なのは、態度が一貫して、ぶれないことだから。

ブラジルの某大統領は、森林資源を消失させて地球温暖化に寄与しているが、そのかれにとって、トゥンベリさんの言う事は腹が立つらしく、彼女をさして「ガキ」と罵ったそうだ。一国の権力者に目の敵にされた形だが、16歳の少女がそこまで憎まれるというのは、大物扱いされている証拠だろう。

彼女を21世の地球社会にとってのジャンヌ・ダルクと呼ぶ動きもあるそうだ。ジャンヌ・ダルクはフランス人にとっては民族の救世主だったが、イギリス人にとっては、不倶戴天の敵だった。かのシェイクスピアも、ヘンリー六世をめぐる歴史劇の中で、ジャンヌ・ダルクを売女呼ばわりしているほどだ。「ガキ」と呼ばれるのと、「売女」と呼ばれるのと、どちらが腹が立つか。もっともグレタ自身は、そういうけなし方に余裕を以て応えている。自分を「ガキ」と称して、謙遜して見せるのだ。たいした少女である。





コメントする

アーカイブ