藤花図屏風:円山応挙

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「藤花図屏風」は応挙の代表作と言ってよい作品。藤の花を写実的に描いていながら、単純な写実にとどまらない。対象を大胆に省略しながら、対象の持つ本質的な形象を浮かび上がらせるように描いている。

幹はたらしこみ技法を用いて大胆かつ単純に描き、花は付立て技法を用いてめりはりをつけた描き方をしている。かなり微細な描き方で、花房をそのまま写実したようにも見えるが、よく観察すると、そこには省略と再構成がうかがえる。

上は左隻の図。のびやかに広がった枝の先に、藤の花房がかなり様式的に配置されている。正岡子規の歌に、「百花の千花を糸につらぬける藤の花房長く垂れたり」というのがあるが、この絵はまさに、子規の歌そのもののように感じられる。

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これは右隻の図。左右両隻を並べてみると、あたかも藤棚の中に迷い込んだような気になる。

(安永五年<1776> 紙本金地着色 六曲一双 各156×360cm 根津美術館 重文)






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