トランプとアメリカメディア

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トランプがホワイトハウスでの定例の記者会見の場で、コロナウィルスへの自らの対応ぶりを、例によって自画自賛したところ、それを批判した女性記者に激怒して、会見を中断して立ち去ったということを、時事新報を始め日本のメディアも紹介し、中にはトランプの唯我独尊的な姿勢を批判するものもあったが、日本のメディアが全く取り上げないことを、アメリカを含めた欧米のメディアは報じている。それを読むと、小生は、日本のメディアの特異性を感じないではいられなかった。

トランプを批判したのは、CBS所属の中国系アメリカ人記者だ。彼女は、トランプがアメリカのコロナウィルス検査が世界でもっともすぐれたものだと自慢したのに対して、そんなにすぐれた体制がなぜ、巨大な数の死者を生んでいるのかと批判したのだった。それに対してトランプは、その原因を聞きたければ中国に聞けと言った。今回のコロナ騒ぎの原因は、あげて中国の対応の不手際にあり、自分はそれについて被害者の立場でこそあれ、責任はないと言いたかったのだろう。

面白いのは、そこからだ。トランプは、発言を続けそうにしたそのCBSの中国系アメリカ人記者を無視して、別の記者、CNNの白人女性記者を指名した。するとその女性記者は、自分に割り当てられた質問の機会を、CBSの記者に譲った。そこでCBSの女性記者が質問を再開しようとしたところ、トランプはそれを遮って、他の記者、PBSの女性記者を指名した。するとその女性記者は、自分に割り当てられた質問の機会を、CBSの女性記者に譲ったCNNの女性記者に譲ったのだった。トランプが激怒したのはその時点だという。かれは、この連中はまったく手に負えないという捨て台詞を残して、その場を一方的に立ち去ったというのである。

この光景から見えてくるのは、トランプの横暴ぶりに対して、メディアがスクラムを組んで立ち向かっている姿勢だ。一人で立ち向かったのでは、簡単に粉砕されてしまう。しかしみんなで立ちむかえば、それなりの対抗はできる。民主主義はそうしたメディアの心意気に支えられている部分もある。トランプの独善主義が、なからずしもヒトラー並みの成功を収めていないのは、そうしたメディアの心息の賜物だということが、この逸話からは伝わって来る。

翻って日本のメディアを見ると、そこには権力迎合の雰囲気ばかりが目につき、メディアが結束して権力の横暴に立ち向かうという光景は全く伝わってこない。かえって仲間同士で足を引っ張りあって、権力の面子を立てることばかり考えている。そんな情けない眺めが伝わってくるばかりである。







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トランプは、結果的に中国との断交をこの記者会見でほのめかしたのであろう。トランプは中国人系のメディヤは中共に侵されていると考えていることを、この場ではっきりさせた。オーストラリヤのモリソン首相の中共ウイルスの起源を調査する態度を明確にした途端、中共はオーストラリヤからの牛肉の輸入を制限し、小麦に高い関税をかけるとして、事実上の輸入制限を発表して、オーストラリヤを脅し始めた。中共は、この不足部分の輸入をおもねって米国からまかなおうとしたのではないか。トランプはこの手に乗らず、断交の姿勢を示した。中国の食料不足は深刻化し始めることが予想される。トランプは今後の中国への姿勢を明確にさせる姿勢を世界にみせた。日本のメディヤの世界の流れを汲み取り、アメリカ、中国、その他の国々の動きを、勇気を持って報道することが望まれる。真実を報道すると消されるかもしれない、命がけの仕事であるが・・

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