ラスト・ワルツ:ザ・バンドのライブ映像

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マーティン・スコセッシの1978年の作品「ラスト・ワルツ」は、ロックバンド「ザ・バンド」が解散記念に催したラスト・ライブのドキュメンタリー映像である。ザ・バンドのリーダー、ロビー・ロバートソンがプロデュースしているから、かれらが望んで記録映画を作ったということだろう。

ザ・バンドは1960年代の初めに活動を開始し、1976年に解散した。あまりメジャーなイメージはないが、ハード・ロックを語る時には欠かせない存在らしい。前半の八年間は主にバック・バンドをつとめ、後半の八年間でオリジナル曲を披露して、そこそこの人気を獲得した。小生には強い印象はないが、一部には熱狂的なファンがいたということだ。

サンフランシスコのライブハウスで、最後の演奏をする彼らの様子が映されるほか、その合間にロビーはじめメンバーへのインタビューが挟まれる。また、後半部では、かれらと何らかのかかわりをもった人気アーティストが出て来て、コラボレートをする。圧巻はジャズ・ミュージシャンのマディ・ウォーターズと、ボブ・ディランだ。ボブ・ディランとは、バック・バンドをつとめたという因縁がある。そのディランを含めて周囲の人物たちが、彼らを単に「ザ・バンド」と呼んだことから、それをバンドの名称にしたということだ。できれば「ホンキーズ(白ん坊たち)」にしたかったいう意見も紹介された。

そんなわけで、ライブの最後はディランが締めくくることになり、それにあわせる形で多くのミュージシャンが舞台に上がって合唱する。その様子が、マイケル・ジャクソンらが催した「ウィー・アー・ザ・ワールド」のパフォーマンスを連想させる。

ハード・ロックの歴史に名を残しただけあって、かなりな迫力である。あっという間に二時間が過ぎたのは、その迫力のせいだ。なお、会場となったライブハウスは、かれらがデビューした場所だそうだ。





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