群仙図屏風左隻:曽我蕭白の世界

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これは群仙人図屏風の左隻。右側から林和靖、左慈、蝦蟇仙人、西王母及び西王母の侍女たち。西王母は仙人ではないが、世の母親を代表して出てくるのは、モチーフの跡継ぎを意識してのことだろう。

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その跡継ぎは、林和靖をかこむ七人の子どもたちの一人として描かれている。これはその部分を拡大したもの。林和靖は黒い衣をまとって、子どもを抱き上げているが、その表情はやけににやけている。地上にいる六人の子どもたちの表情も、みなにやけているのは、林和靖を真似しているのか。

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これは蝦蟇仙人の部分を拡大したもの。頭上に蝦蟇を乗せているだけではなく、自分自身も蝦蟇の風采で、侍女に耳の穴を掃除してもらって、これもやはりにやけた表情をしている。

蝦蟇仙人の背後の岩の上には西王母が身を寄せ、透明な団扇を通して何かを見つめている。その表情は何かに秋波を送っているように見える。なお、落款には、「式部大輔蛇足軒暉王入道十世曽我左近次郎蕭白暉雄筆」とある。

(1764年 六曲一双 紙本着色 文化庁 重文) 







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