ミレー「箕をふるう人」:バルビゾン派の画家たち

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1848年のサロンにミレーは、「箕をふるう人」と「バビロン捕囚」の二点を出展した。このうち、堂々たる歴史画の大作「バビロン捕囚」の評判は悪かったが、「箕をふるう人(Un vanneur)」は大好評だった。テオフィル・ゴーティエは次のように言って、絶賛した。「色彩は堂々としたもので、赤い布を頭にかぶるが、それとぼろ着の青の対比が面白く、なかなか手慣れている。空中に舞う穀物の描写は極めて素晴らしく、この絵を見てくしゃみをする人もいるかもしれない」

この作品は国家買い上げとなった。この年成立した革命政府は、フランス革命のシンボルである三色旗の色がこの絵に使われていることに感心して、この絵を革命政府のシンボルとして受け入れたようである。

この作品は、農民画家といわれるミレーにとっての、記念すべき転機となるものだった。これ以後ミレーは、意識的に農民の生活を描くようになる。

(1848年 カンバスに油彩 100.5×71.0cm ロンドン、ナショナル・ギャラリー)





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