群仙祝寿図:富岡鉄斎の世界

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「群仙祝寿図」は、鉄斎自身の長寿を祝って描いたもの。その旨が箱書に記されている。寿老人を囲んで、数人の仙人が祝福している場面。寿老人が鉄斎の自画像であるとされる。

この年、鉄斎は八十六歳になっていた。当時としてはかなりな長寿である。かれは八十九歳まで生きるのであるが、死ぬまで筆をおかなかった。というより、年を重ねるごとに筆は冴えていったのである。

画面上部に、「余この図を造りしに、頗る仙気あるを覚ゆ」とある。よほど気に入ったと見える。

(1921年 紙本着色 134.5×32.5cm 清荒神清澄寺)





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