アイアン・スカイ:地球人同士の宇宙戦争

| コメント(0)
fin11.iron.jpeg

2012年の映画「アイアン・スカイ」は、フィンランド、ドイツ、オーストリアの共同制作ということになっているが、監督のティモ・ヴォレンソラがフィンランド人なので、一応フィンランド映画として分類してよい。とはいえ、フィンランド人ではなく、アメリカ人が活躍し、映画を流れている言語は英語である。そんなわけで、無国籍映画といった観を呈している。

よくある宇宙戦争もの。宇宙戦争といえば、だいたいが異星人の攻撃を地球人が迎え撃つというのが相場だが、この映画の中で戦うのは地球人同士である。1945年のドイツの敗戦に伴い、ナチスの残党が月に逃れたのであったが、かれらは月で高度な文明を築き、地球の征服を狙っている。そこへアメリカ政府のミッションを帯びた地球人が巻き込まれて、かれらも含めた形で大宇宙戦争が始まるといった、荒唐無稽な内容の映画である。

そんなわけであるから、大した意味は感じさせない。ただただ娯楽作品としてみれば、肩もこらないし、適度に楽しむことができる。

アメリカ大統領が女性として出てくる。この大統領は、共和党の大統領ということになっているが、その風貌や仕草が、かつてアメリカ政治にセンセーションを巻き起こしたサラ・ペイリンを彷彿させる。サラ・ペイリンは2008年の大統領選に副大統領候補として出馬しており、この映画が作られた2012年頃にはまだまだ大きな人気を誇っていた。その彼女の相棒役として出てくる男が、ミット・ロムニーによく似ている。ミット・ロムニーは2012年の大統領選挙に出馬し、オバマに敗れている。





コメントする

アーカイブ