米大使館のNHK取材拒否は安倍政権への牽制か

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NHKがキャロライン・ケネディ米大使への取材を申し込んだところ、米大使館側から断られたという。理由は、NHKの百田経営委員による先日の反米発言にあるらしい。そのほか、籾井会長の言動に対する批判も含まれているらしい。米大使館が独自の判断で行ったとは考えがたいから、オバマ政権もこれを容認していると思った方が良い。また、ことは一NHKのみに留まるというより、NHKに象徴的に表れている日本政治の右翼的傾向への、米側の強い懸念を反映したものと考えた方が良いのではないか。

そうした懸念は、安倍首相の靖国参拝に対する米政府の「失望」宣言にもあらわれていたわけだが、米国のメディアでは、もっと露骨な形で表明されている。17日付のワシントン・ポストの論説は、「日本の挑発的な動き」と題して、ほかならぬ同盟国の日本こそがアジアの最大のリスクファクターだといって、この調子では、日中間に戦争が始まってもおかしくない状況だと断定している。その上で、アメリカは安倍政権にどこまで付き合うべきなのか、という疑問を呈している。

安倍首相は、日米同盟の強化を最大の外交目標にしてきたはずだ。それなのに、ほかならぬ自分自身の言動を通じて、対米関係をギクシャクさせている。NHK会長や百田委員も、アメリカの眼からは安倍さんの親しい友人と見られており、彼らの言動は安倍さんの言動と重なって捉えられている。アメリカからすれば、日本は今や右翼冒険主義者たちの巣窟になった感がするのではないか。

こんな調子で今後も続けていけば、安倍政権はアメリカによって、危険な政権であるとの位置づけを受けるにいたるかもしれない。それは、日本が世界中から孤立することを意味する。中国にとっては、理想的な展開だ。孤立した日本なら(アメリカの後ろ盾がないのなら)、いつでも踏み潰せると考えているだろうから。







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