デルフォイの馭者:ギリシャ美術

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デルフォイから出土したブロンズ像「デルフォイの馭者」は、「ポセイドン像」と並んで、厳格様式の傑作である。シシリアのギリシャ人植民都市ゲラの君主ポリザロスが、カルタゴ軍との戦いに勝利した記念に、デルフォイの神域に奉納したものである。ポセイドン像の奉納と同年のことだったと言われる。

像は、二頭立ての馬車(戦車)を操る若者(戦士)を表現している。若者は、馬を操る鞭を持ち、自分自身は両足を揃えてすっくと立っている。一見したところでは、馬車に乗っているような躍動感はうかがえないが、よく見ると、戦いに臨む緊張感は伝わって来る。

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これは、若者の頭部を拡大したもの。その張り詰めた表情には、アルカイック時代のおおらかさは消え、厳粛な雰囲気が漂っている。この厳粛さが、厳格様式の最大の特徴といってよい。(デルフォイ美術館蔵)







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