龍虎図屏風:長谷川等伯

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長谷川等伯は龍虎図を何点か手掛けている。桃山時代から徳川時代の初めにかけて、龍虎図が流行ったので、等伯にもその注文が来たのだろう。この作品は、やはり「自雪舟五代長谷川法眼等伯」の署名があり、六十八歳の時のものである。左右両隻に龍と虎とが向かい合っている構図は、互いに視線を交差させているところなど、なかなか迫力を感じさせる。

上は左隻。断崖の上に虎がうずくまり、虚空を睨んでいる。その視線の先に、右隻の龍があるわけだ。この虎の描き方には、「竹虎図屏風」における虎と比べ、やや迫力に欠けるところがある。姿勢もおとなしく見える。

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これは右隻。雲間から龍が顔をさしだし、鋭い目で前方を睨んでいる。その視線の先には虎がいるわけだが、虎に比べるとこちらの龍の方が迫力を感じさせる。(紙本墨画 六曲一双 各153.1×355.0cm ボストン美術館)






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