老衰が死因の三位に

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老衰が死因の三位になったそうだ。厚生労働省の人口動態統計によれば、日本国内で2018年に死亡した人のうち、一位のがん、二位の心疾患についで、老衰が第三位、割合にして8パーセントを記録したという。何を以て老衰と定義するかというと、他に死亡の原因がない、いわゆる自然死をさす。自然死する人のなかで、90歳を超えた人について、老衰というらしい。

これには、日本人の寿命が延びていることが作用している。総務省によれば、いまや90歳以上の人は200万人を優に越える。この人たちが老衰で死ぬ人の予備軍なわけだ。これからこの予備軍の数はますます増える。我々団塊の世代が全員90歳を超えるのはあと二十年先のことだが、その頃には日本は超高齢老人であふれかえるだろう。その人たちが、集団をなして、枯れるように死んでいく光景は、地球の歴史にも例を見ない壮観を呈するだろう。

死因の第四位は脳血管疾患だそうだ。かつては死因の第一位を長らく占めていたが、食生活の改善やら血圧の管理やらが進んで、死亡率が劇的に減少した。かくいう小生も血圧の降下剤を服用しているから、脳血管疾患で死ぬリスクは低くなっているに違いない。

先日、五木寛之と横尾忠則の対談を紹介した折、誤嚥性を含む肺炎が死因の第三位だという話が出てきたが、肺炎は老衰のプロセスのひとつと認定されることが多いのだそうだ。だから肺炎で死んだ場合でも、老衰と診断される場合が多いという。小生はいまのところ、あまり誤嚥することはないが、これから年を取るにしたがって誤嚥することが多くなると思う。その誤嚥がもとで、肺炎を起こして死んだとしたら、90歳以下の場合には肺炎と診断され、90歳を超えていれば老衰と診断されるのだろうか。

それはともあれ、小生も含めて、これからは自宅で死ぬ人が増えると思う。その場合に死亡診断書をどうするかが問題になる。日頃仲よくしている医者がいて、死んだら駆け付けてきて、死亡診断書を書いてくれるのが望ましいが、そういう医者がいなくて、24時間以内に死亡診断書を書いてもらえない場合、警察のお世話になることとなる。遺族としてはわずらわしいだろう。そこで、老衰して死んでいく人の場合には、死亡診断書が容易に交付されるようなシステムを、いまのうちから整備してほしいと思うのだが、みなさんはいかがだろか。





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