舞踊図

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六曲一隻の小屏風「舞踊図」は、それぞれの扇面に扇を手にして舞う女性の姿を配したものだ。ひとりひとり違ったポーズで、画面に変化をもたらしている。その変化は、女性たちがまとっている衣装の模様でも表現され、女性たちはそれぞれに多彩な衣装を披露している。一方、彼女らの持っている扇は、いずれも白い面に墨絵をあしらったものだ。
これは屏風の右半分。女性たちのとっているポーズや衣装に変化のあることがわかる。背景はみな金地一色で飾りがない分、女性そのものに視線が集中するようになっている。当時の女性のファッションが窺える風俗画である。

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これは第一扇。女性は小首をかしげながらあらぬ方向を見つめ、舞うというよりも物思いにふけっているように見える。元和から寛永初期に制作されたものと推測される。

(紙本金地着色 六曲一隻 京都市 重文)





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