ロヒンギャ問題を棚上げしてミャンマーの軍閥を応援する日本企業

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Japan Times の電子版に、日本企業とミャンマーとの経済的な結びつきについて、批判的な記事が載っていた。日本人が書いたものだが、なかなか鋭いところをついている。日本企業が、ロヒンギャの問題を全く考慮にいれないで、ひたすらミャンマーの軍閥を応援しているのは、政治的にも道義的にもまずいのではないか、といった趣旨の記事だ。

この記事によると、キリン麦酒とかジャパンたばこといった日本の大手企業が、ミャンマーの軍閥とかその関係会社に手厚い援助をしているそうだ。その一方で、ロヒンギャ問題について取り上げることは全くないそうだ。つまり、ロヒンギャの問題は棚上げして、あるいはないことにして、ひたすら経済的な利益を、互いに追及しているということらしい。

ミャンマーの軍閥と経済関係を結ぶこと自体には、いかがわしいことはないのかもしれない。しかし、ミャンマーの軍閥を応援することが、軍閥によるロヒンギャ迫害に結果的に手を貸すようになるとしたら、別だ。ミャンマーの軍閥によるロヒンギャ迫害については国連も非難しており、各国には、軍閥によるロヒンギャ迫害に手を貸さないように求めている。人道的な見地からの方針だ。

日本の企業は、こうした人道的な配慮を全く無視して、ミャンマーの軍閥と手を結んでいるのではないか。記事はどうもそう言いたいようである。日本企業のこうした無神経な姿勢には、日本政府の姿勢も影響しているという。日本政府は、ロヒンギャ問題に関する国連の一連の措置に、部外者のような態度をとり続けて来た。その理由は、ミャンマーをめぐる中国との競争に勝ちたいということらしい。中国との競争に勝つためには、ロヒンギャ問題にこだわって、ミャンマー政府と対立することは望ましくない。そういう配慮が働いて、日本政府はロヒンギャ問題に及び腰になってきた。そうした政府の姿勢が民間企業にも伝染して、人道問題など無視して、もっぱら経済的な利益を追求するといったことになっているのだろう。そうだとしたら、恥ずかしいことだ。そんな鬱憤がこの記事からは伝わって来る。

(参考)Japan continues to help Myanmar whitewash the Rohingya crisis By Teppei Kasai





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