百鬼夜行絵巻4:醜女と狐女

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白い幕の前で二人の女が座っている。右側の女は鉄漿をつけている最中で、左手の女が頭の上に鏡をかざして協力している。その鏡をのぞきながら、鉄漿の具合を確かめているわけだ。

白幕の背後からは四人の女たちが顔をのぞかせて、前の二人の様子を見守っている。併せて六人いる女たちはみな醜女である。だがただの醜女ではない。手足は獣のものである。つまり六人とも、醜女の妖怪ということだ。

女は若くて役に立つ間は大事にされるが、年をとって、しかも醜い女は、古道具同様役立たずとして見捨てられるということか。

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右手は、白い布をまとった女だが、手足は狐のものだ。だからこの女は狐女の妖怪ということになる。その妖怪が、なにやら忙しくしているが、これは何をしようというのか。

左手には、大きな赤鬼が、古唐櫃をこじ開けようとしているところ。唐櫃の中には、さまざまな古道具の化物が詰まっている。赤鬼は、これらの化物たちを、外に出してやろうというのだろう。そのせいか、赤鬼の表情には、ある種のやさしささえうかがわれる。






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