百鬼夜行絵巻2(琵琶の妖怪ほか)

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右は琵琶の妖怪で、琴の妖怪をひっぱっている。琵琶の妖怪の胴体は、赤鬼のように赤い。琵琶には色々な種類があるが、これは四弦琵琶。その琵琶が琴をひっぱっているのは、捨てられた同士の誼からか。

左側は、上が迦陵頻伽の形をした鳥兜の妖怪、下が赤鬼。迦陵頻伽は、人間の上半身と鳥の下半身を複合した想像上の生き物。この妖怪は、人間のかわりに鳥兜の上半身を持っている。その迦陵頻伽の妖怪を、赤鬼が下から眺め上げている構図である。

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右手の、錫杖をかついだ笙の妖怪は、逆に向いて迦陵頻伽を見上げている。この妖怪にも翼が生えている。笙は雅楽に用いられる管楽器だが、それがなぜ錫杖をかついでいるのか、わけはわからない。

左側は、扇の妖怪と如意の妖怪。それらが黒布の妖怪を追いかけている。扇の妖怪は龍の頭をもち、赤い肩掛けをまとっている。如意は僧が説教の時にもちいる小道具だが、背中をかくのに便利だというので、もっぱら背中をかくのに用いられた。如意という名称には、思うように背中がかけて便利だという意味もある。その如意が、この絵では、貧相な鬼の姿をしている。






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