森達也監督のドキュメンタリー映画「新聞記者」を英紙ガーディアンが紹介

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オウム真理教に取材した「A」や、東日本大震災の状況をリアルタイムで紹介した「311」などで知られるドクメンタリー映画監督森達也の最新作「新聞記者ドキュメント」を、英紙ガーディアンが取り上げて、紹介傍ら論評している。この映画は、最近菅官房長官との対立で話題となっている東京新聞の女性記者望月さんの取材の様子を追ったものだ。その様子を通じて、日本社会における言論の状況が浮かびあがってくると、この記事は解説しているのであるが、それを読むと、小生などは一日本人として、この国の未来に危惧を覚えざるをえない。

映画が取り上げているのは、沖縄の辺野古基地の問題やいわゆるモリカケ問題などをめぐって、政府高官と彼女との間でなされたやりとりの様子である。彼女の取材のやり方が、政府の高官、とりわけ政府のスポークスマンである菅官房長官の機嫌を損ねて、色々な嫌がらせを受けたのだったが、それに対して彼女が屈さなかったことが強調されている。

イギリスのメディアにとっては、彼女の取材のやり方は常識的なものだそうだ。ところが日本では、彼女の取材のやり方は、権力者の怒りを買うばかりではなく、同業者からも迷惑がられる。これは健全なメディアのあり方からすれば、非常に問題だというふうな言い方をこの記事はしている。その上で、UPO「国境なき記者団」による日本のメディアの評価を紹介している。それによれば日本は、対象となった180国のうち67位であり、G7構成国のうちの最低であった。

この記事は、日本の言論状況に厳しいだけでなく、日本における男女差別の根深さにも注目している。特にセクハラが公然とまかり通っていることに驚いている。伊藤詩織さんの件についても言及し、日本は異常な社会であるというような認識を発信している。そういうわけでこの記事は、良識ある日本人だけではなく、すべての日本人に向って警鐘を鳴らしていると言える。

(参考)Isoko Mochizuki, the 'troublesome' thorn in Shinzo Abe's side:The Guardian





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