ペルシャザルの饗宴:レンブラント

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「ペルシャザルの饗宴」と呼ばれるこの絵も、ドラマチックな雰囲気を強く感じさせる作品だ。旧約聖書のダニエル書に出て来る逸話に取材したもの。ペルシャザルは、バビロン王ナボニドゥスの子で、次期バビロン王になるはずだったが、ユダヤ人を迫害したことで滅亡したというような話である。

ペルシャザルは、エルサレムの神殿から略奪してきたものを使って宴会を催した。すると壁に人間の手が現れて不可思議な文字のようなものを書いた。誰もそれを読み解くことができなかったが、預言者のダニエルが読み解いた。「文字は、メネ・メネ・テケル・ウパルシン」と書いてあり、意味は、お前は滅亡するだろうというものだった。その言葉通り、ペルシャザルは滅亡したのである。

絵は、人間の手が壁に文字を描き、それをペルシャザル以下宴会の参加者が驚きながら見ているところを描いている。ペルシャザルの表情からは、何が起きているのか理解できなくて、茫然としている様子が伝わって来る。ほかの人物も、それぞれに驚きの表情を見せている。

この文字を、なにをモデルにしてレンブラントが描いたか、それ自体興味をそそられることだ。

(1635年 カンバスに油彩 167×209㎝ ロンドン、ナショナル・ギャラリー)






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