欲の皮の突っ張ったやつが面の皮の厚いやつに騙される:ジャパンライフ事件

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ジャパンライフ事件はこの国の無軌道ぶりの一端を見せつけた。未曽有の規模の詐欺事件ということもあるが、時の権力者が、その詐欺に何らかの形でかかわったという嫌疑が広くいきわたり、国全体が詐欺劇場の観を呈したものだ。

この劇場で猿回しの役割を演じたのは、面の皮の厚い連中だ。そいつらに騙された連中は、欲得づくのところをつけこまれたわけだから、欲の皮の突っ張ったやつといってよい。その欲の皮の突っ張ったやつが、面の皮の厚いやつに騙されただけの話と言えなくもないが、そうとも言って片づけられないのは、先ほども言った通り、権力が一枚加わっているからだ。

事件の黒幕が逮捕されたことを受けて、野党の諸君は、この事件と政治とのかかわりを、就任したばかりの官房長官に問いただしたところ、官房長官は、資料がないので調べようがないと開き直った。資料がないではなく、始末したのでなくなったというべきだろう。都合が悪い資料は始末し、はじめからなかったことにするのが、今この国の権力を握っている連中のやり方だ。そういう連中を何と言ってよいのか。とりあえず、面の皮が鉄でできているやつとでも言っておこうか。

この事件そのものについては、これは先ほども言ったように、人間の欲がからまった喜劇に過ぎまい。人を騙すのは無論よくないが、騙すという行為は、騙される人間が存在して成り立つことだ。騙されやすい人間というものは、世の中には大勢いるようで、特殊詐欺が絶えないのは、そういうお人よしな人間の存在に支えられてのことだ。人間が存在する限り、詐欺のタネは尽きないということらしい。お互い、騙されないように気をつけましょう。





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