これも蝦蟇・鉄拐両仙人をモチーフにした作品。先述の「蝦蟇・鉄拐図」とはまた違った印象の作品である。とくに蝦蟇仙人の描き方がユニークだ。先の蝦蟇仙人は、地上の蝦蟇蛙に話しかけていたが、この蝦蟇仙人は、頭の上に蝦蟇蛙を乗せている。
一方、鉄拐仙人のほうは、崖っぷちに座った姿で息を吐いている。その息は仙人自身の魂である。どちらも、仙人らしからぬ、世俗的な風貌に描かれている。蝦蟇仙人などは、山賊のようないでたちである。
これは蝦蟇仙人の頭部を拡大したもの。蝦蟇蛙が、仙人の頭上にいて、髪の毛につかまっている。その髪の毛は、ぼうぼうと伸びて、乞食のようである。また仙人の表情には、どこか狡猾さを感じさせるものがある。
（製作年不明 紙本墨画 二曲一隻 各119.4×51.6cm 成田美術館）
コメントする