ミレー「休息する刈り入れ人」:バルビゾン派の画家たち

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1853年のサロンにミレーは「休息する刈り入れ人(Moissonneurs au repos Ruth et Boaz)」を出展して入賞する。その直前に母が亡くなり、ミレーは八年ぶりに故郷の家に戻った。その際にミレーは、田園地帯の多くのスケッチを描いたが、この絵の図柄もそのスケッチにもとづいているのではないか。ミレーはまた、母の死を契機に、妻のカトリーヌを正式に入籍した。カトリーヌはミレーのために、実に9人の子を生んでくれたのだった。

この作品は、旧約聖書にあるルツとボアズの逸話を題材にしている。ルツ記に出てくる話で、モアブ人である寡婦のルツが、イスラエル人の律法に従ってボアズの妻となり、子どもを生んだというものである。その子孫が後にイスラエルの王となった。

この絵では、画面左手にボアズとルツが描かれ、中央から右手にかけて、休息しながら食事を楽しむ農民たちの姿が描かれる。背後には高い麦わらの山が、農民たちの周辺には麦わらの束がころがり、麦の収穫の雰囲気が強調されている。

(1853年 カンバスに油彩 67.3×119.7cm ボストン美術館)





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