無能だが保身には抜け目ない:アフガンの日本大使館

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先日、自衛隊によるアフガン在留日本人とアフガン人協力者の救出について、たった一人の日本人しか救出できなかったことをめぐって、小生は「自衛隊は子供の使いか」と言って、日本の対応のお粗末さを批判したところだ。その後、詳細が明らかになるにつれて、この思いは一段と強まった。

自衛隊の航空機がアフガンについた時には、日本大使館やJICAなど関連機関のスタッフはすでにアフガンを脱出していなかったという。そういう状況のなかで、取り残されたアフガン人協力者たちは、指令塔不在のままで右往左往していたということだ。司令塔が不在なわけだから、どうやってよいか適切な判断ができず、結局空港にたどりつくこともできずに、そのまま引き続き取り残されたということである。

要するに、アフガンにいた日本人部隊の責任ある立場の人たちは、いち早く自分たちだけ安全な場所に退避して、本来面倒をみるべきアフガン人協力者たちを見捨てたということだ。このことを聞いた小生は、敗戦前後の満州のことを思いだした。その折も満州政府関係者や関東軍は、自分たちの家族をいち早く避難させる一方で、民間の日本人を見殺しにした。それとほぼ同じようなことが、今回もアフガンで繰り返されたというわけだ。満州の場合は日本人が見捨てられ、今回はアフガン人が見捨てられたわけだが、そのアフガン人協力者を、日本政府は本来保護すべき立場にある。その責任を自覚しないことが、今回の事態につながったというほかはない。

なお、自衛隊は、アメリカ軍の要請を受けて十数人のアフガン人を輸送したということだが、これはアメリカの使いをやらされたということで、日本本来のミッションには関係がない。結局日本は、アフガンに自衛隊機を飛ばして、ほとんど何もしないで帰ってきたということになる。

改めていうが、これは自衛隊の責任ではない。政府の責任、とくに外務省の責任が大きい。その外務省のトップである外務大臣は、この期間中外遊と称して海外旅行を楽しんでいたそうだし、総理大臣は政争に余念がなく、アフガンの事態など眼中になかったということだ。また、アフガンの日本大使館は、仕事のうえでは無能だが、こと自分の保身については、抜け目がないことをさらした。こんな連中が外交を操っているわけだから、日本の外交が諸外国から軽蔑されるのも無理はない。






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