犬をつれたアンドレ・ボナール嬢:ボナールの色彩世界

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ボナールの初期の絵の特徴は、色彩の鮮やかさと日本趣味である。色彩の鮮やかさは、ナビ派の他の画家たちも共有しており、それはかれらがゴーギャンを手本にしていたことによる。一方日本趣味は、ボナール独自のもので、構図の様式性・装飾性によくあらわれてる。

「犬をつれたアンドレ・ボナール嬢(Mademoiselle Andrèe Bonnard avec ses chiens)」と題されたこの作品は、そうした二つの特徴がよくあらわれた作品。浮世絵の影響を強く感じさせる構図に、強烈な色彩で表現されているこの絵は、初期のボナールの代表作といってよい。

モデルのアンドレは、ボナールの実妹で、作曲家のクロード・テラスと結婚した。この絵は、結婚する前のアンドレを描いたものだろう。アンドレは二匹の犬を引き連れ、左手に麦藁帽子を持っている。

(1890年 カンバスに油彩 188×80㎝ 個人蔵)





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