ウクライナにまといつくナチスの残影

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ゼレンスキーがカナダ議会に招かれて演説をしたさい、議員以外に招待された男がかつてナチスの戦闘員だったことが判明し、議長が辞任する騒ぎになった。その男はウクライナ出身で、先の大戦中ロシアと闘ったことを自慢したのであったが、じつはナチスの協力者で、SSの部隊に所属していたことがわかった。事実を指摘したのは、カナダのユダヤ人団体である。それを指摘されたカナダ政府は、トルードー首相みずから謝罪したほか、その男を招待した議長も辞任した。

その議長は、いまの戦争でウクライナがロシアと闘っていることを賞賛するつもりで、かつてもウクライナがロシアと闘ったことがあるということの生きた証人として、この男を招待したということだが、じつにお粗末な話である。

先の大戦中、ウクライナの独立派勢力がナチスの勢いを借りて、ロシアと闘ったことは周知の歴史的事実である。ウクライナ人の大部分が反ロシアだったわけではなく、一部の反ロシア勢力が、ナチスの勢いに乗じて対ロシア戦争をしかけたものだ。その勢力をプーチンはナチスと同一視し、ゼレンスキーらの反ロシア勢力はその末裔のネオ・ナチだと決めつけているわけである。

そういう歴史に無知であったために、今回のようなスキャンダラスな事態が起きたわけだ。これもロシア叩きのためにはなんでもありという今の西側の雰囲気を反映しているのだと思う。

ともあれ、その男の演説が終わったさいには、トルードーらは大げさな拍手を贈り、満場がスタンディングオベーションをしたというから、いかにも間抜けた話である。






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