月次風俗図屏風(二)

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これは月次風俗図屏風第五扇。初夏の風俗を描いたもので、上は加茂の競馬、下は庶民の衣更。加茂の競馬は、もともとは神事であるが、この時代には、庶民にとっての得難い娯楽ともなっていた。衣更は旧暦四月一日と十月一日になされた。これは四月一日の衣更を描いたもので、人々が反物屋に出入りして、夏の涼しい衣装を求めるさまが描かれている。

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これは第六扇。上部には犬追物が、下部には蹴鞠が描かれている。犬追物とは、鎌倉時代に始まった弓術の作法のことで、円形の馬場に犬を放ち、騎馬武者が一定の時間でどれだけ犬を射ることができるかを競う競技である。また、蹴鞠は平安時代から延々とつづいてきた遊びで、主に上流階級のスポーツだった。この絵でも、紳士・淑女が蹴鞠を楽しむ光景が描かれている。

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これは第七扇。富士山麓の巻狩りが描かれている。富士の巻狩りは源頼朝が始めたもので、もともとは軍事訓練を目的としていた。後世になるとスポーツの性格を強め、大勢の人々が狩を楽しんだ。

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これは第八扇。上段に春日大社の神事、下段に雪遊びが描かれている。春日大社の神事には色々あるが、これは冬の神事。おそらく年越しの神事であろう。また、雪遊びのほうは、大きな雪だるまを作ったり、子供が雪合戦をする様子が描かれている。






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