ミレー「刈り入れ人たちの休息」:バルビゾン派の画家たち

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「箕をふるう人」の成功によって、ミレーは政府から注文を受けた。提出した作品は「刈り入れ人たちの休息(Le Repos des faneurs)」と題した作品である。

盛り上げた藁山の陰で、四人の農夫が休息している構図である。杖をついた女がなにやら口に運び、もう一人の女が膝をおろして、立った女に手を伸ばしている。その脇には二人の男が休み、一人はリラックスして横になっている。厳しい労働の合間の、束の間の休息という雰囲気が伝わってくる絵だ。

ミレーがこの絵を制作中の1849年には、パリにコレラが流行していた。そこで芸術家たちにはパリを離れて地方に疎開するものが多かったという。ミレーもその一人。政府から受け取った報酬を使って、妻子を連れバルビゾンに移住した。ジャックら数人の友人たちが同行した。以後。ミレーはバルビゾンを拠点として活動する。

(1849年 カンバスに油彩 89×116cm パリ、オルセー美術館)





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