日本の対ロ制裁にロシアが反発するのはけしからぬ:鼻息荒い岸田政権

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アメリカやEU諸国の対ロ制裁に同調するかたちで、日本も対ロ制裁に踏み切った。それに対してロシアが早速反発してみせた。これは日本によるロシアへの敵対行為であるから、ロシアも相応の反撃を行う。具体的には北方領土の問題や平和条約についての交渉をとりやめ、また、日本人による北方領土へのビザなし訪問や経済協力協議についても停止するというものだ。

これに対して岸田政権は厳しく批判した。問題の発端はロシアがウクライナを侵略したことにあるのだから、反省すべきはロシアであり、日本には一切責任はない。だから、ロシアが日本の対ロ制裁に反撃する資格はないのであって、ロシアは日本の措置をおとなしく受け入れるべきだ、というのが批判の理屈のようだ。

この理屈が国際的な慣行に照らして成り立つのかどうか、俄かには判断がつかないが、常識からすれば、喧嘩をしかければ、相応の反撃がかえってくることは当然のことだ。岸田政権は、今回のケースでは常識は論外だと考えているのかもしれない。そこで、対ロ制裁を日本が行っても、ロシアがそれに反撃することは許されないというような意味のことを平然と言うことができたのであろう。

岸田政権のやり方は、いかにも鼻息の荒さを物語っているように見えるが、実際のところは、アメリカに右へ倣えしているにすぎない。なにもロシアに遠慮する必要はないが、しかしロシアへの制裁が日本にも一定の痛みを齎すことをわきまえたうえで、もうすこし悧巧なやり方を考える余地があったのではないか。

いまや世界は、欧米を中心軸として、集団ヒステリーの発作に見舞われているといってよい。そういう時こそ、日本のような非西欧世界の国は、冷静に振る舞うことに大きな意義があると思う。





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