プーチンに学ぶ岸田政権:学術会議をいかにコントロールするか

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岸田政権は日本学術会議のコントロールにやっきになっているように見える。政府が学術会議を直接コントロールしたいという意向を露骨に示したのは菅政権の時のことで、その際には、政権の意に沿わない人の会員任命を拒絶するという大人げない方法をとったものだったが、岸田政権はもっとソフィスティケートされた方法を考えているようである。いま最も有力な案は、学術会議が直接会員の任命権を行使するのではなく、第三者機関を設けて、その意向を会員人事に反映させるというものだ。要するに学術会議の自主的な会員任命権に制約を加え、政府の意向を反映させるような制度を導入しようということだ。人事を通じて政府の意向を貫徹するというやり方は、安倍政権が得意としたものだが、それを岸田政権も受け継いだということか。

それ以上に気になるのは、岸田政権のそうしたやり方をロシアのプーチンがやっているということだ。日本の学術会議に相当するロシアの期間は「科学アカデミー」だ。その科学アカデミーには300年の歴史がある。政府機関ではあるが、かなり高度な自治を保障されてきた。ところがプーチンはその人事に露骨に介入した。総裁人事を政権の都合のよいように行ったのだ。今年行われた総裁人事において、政府(プーチン政権)に批判的なセルゲーエフ総裁が、政府の圧力に屈して立候補を取り下げ、かわってプーチンのお気に入りのクラスニコフが総裁に就任した。クラスニコフは、技術者であって学者ではない。しかも政府に対して従順だといわれている。そのクラスニコフをアカデミーの総裁につけることで、プーチンは科学技術の砦を抑えることができる。

プーチンのやり方は、人事を通じて自分の意向を貫徹するというものだ。それと同じことを岸田政権もやろうとしているように見える。岸田政権には、プーチンに学んでいるという意識はないのかもしれないが、やっていることはプーチンの物まねである。

このところの岸田政権のやり方には、唯我独尊的な強権体質が認められる。強権を振りかざすことでは、岸田首相はプーチンに劣らない。日本は危うい人間を指導者にいただいているように思える。





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