国立代々木競技場:表参道の現代建築群

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国立代々木競技場は、1964年の東京オリンピックの会場として建設されました。二つの施設からなり、第一体育館は水泳を始めとした屋内競技の大アリーナとして、第二競技場は、小規模な屋内競技の会場として、日本のスポーツを支えてきました。東京オリンピック開催の直前に竣工し、第一体育館は水泳の、第二体育館はバスケットボールの会場として使われました。

設計は丹下健三。かれの代表作としてにとどまらず、日本の現代建築を象徴するものとして評価が高く、2021年には国の重要文化財に指定されました。釣り構造といって、釣り橋と同様の構造を採用したおかげで、柱のないすっきりとした内部空間を実現できています。

上の写真は、神宮橋付近の横断歩道橋の上から撮影したもの。画面の左右に二本の巨大な支柱が見えます。この支柱を有効に使って、建物の屋根を釣り上げているわけです。

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建物の屋根は、流線型の優雅な曲線を描き、エレガントなイメージを醸し出しています。そのエレガントさが、この建物の美術的な価値を高めています。

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これは、支柱の上部を眺めあげた構図。支柱から屋根の背骨部分がのび出ているのが見えます。その背骨は、二本の支柱で吊り下げられており、そこから更に屋根の裾野部分が伸び出るような構造になっています。

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これは体育館本体に付属するエントランス部分。ここではコンクリートむき出し(打ち放し)のデザインになっています。

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これはエントランス正面。二階部分には、分厚い絨毯を敷き詰めた貴賓室があります。





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