原発処理水(汚染水)は海洋放出が国際標準になる

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福島第一原発の放射能汚染水が、「科学的な」処理を経たうえで海洋に放出されることが既成事実になったようだ。IAEAがお墨付きを与えるようなので、日本政府としては、国際社会に向かって胸をはって海洋放出の方針を実施したいという姿勢である。じっさいその通りになるだろう。

ということは、福島第一原発の汚染水海洋放出が国際的に標準的なモデルになるということだ。いまや世界中の原発が、放射能汚染水を含めた汚染物質の処理に頭をいためている。もし海洋放出が国際標準として認知されるようになれば、みなそれを見習うであろう。格安で処理できるのだから、そのほかの金のかかる方法をわざわざ採用する必要もなくなるわけだ。

IAEAがとりあえずお墨付きを与え、日本政府も安全だと主張している根拠は、要するに福島に限定すれば、そこから出た汚染水を海洋に放出しても安全に脅威はないということだ。しかし、福島が前例になって、今後世界中の原発が、汚染水を海洋放出するようになったらどうなるか。そこまでは、IAEAも考えていないようだ。

IAEAが誰の利害を代表しているのか、よくはわからぬが、今回は日本政府の苦境になかり同情しているといった雰囲気が伝わってくる。なお、原発汚染水の海洋放出は、すでに韓国や中国でも行っていると報道されている。そうした隣国の海洋放出に対して、日本は厳しい批判をすることはできないだろう。




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