
サミュエル・バトラー「ヒューディブラス」へのホガースの挿絵第六は、「苦悩のヒューディブラス( Hudibras in Tribulation)」と題する。庶民によって迫害されるヒューディブラスと従者ラルフを描いている。かれらは、暴動を起こした庶民の仲間によって、窮屈なところに閉じ込められる。その二人を、庶民があざ笑うのである。
画面左手の柵の向こう側に二人は閉じ込められている。左がヒューディブラス、右がラルフである。かれらは、足枷のかわりに、柵にあけられた穴に足を突っ込まれている。柵の上に高く伸びた棒の先には、長靴などかれらの持ち物が結わえつけられている。かれらがタルゴに対して行ったのと同じことをされているわけだ。
その長靴はヒューディブラスのものだが、ラルフの長靴のほうも、小僧が剥がそうとしている。小僧の後ろには見物人があつまり、また、柵の前には二人の女がなにやら行っている。左側の女は寡婦で、ヒューディブラスに意趣を抱いている。右側の女は、ベンチに腰掛けてジョッキをいじっているが、その中には無論ビールがたっぷりと入っているのである。
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