勤勉な徒弟は豊かになり、ロンドンの保安官になる:ホガースの版画シリーズ「勤勉と怠惰」

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ホガースの版画シリーズ「勤勉と怠惰(Industry and Idleness)」の第八作は、「勤勉な徒弟は豊かになり、ロンドンの保安官になる( The Industrious 'Prentice grown rich, & Sheriff of London)」と題する。勤勉に報われて成功したフランシスが、ロンドンの保安官となり、その優雅な姿を披露しているところを描く。保安官は、選挙によって選ばれ、シティの治安の任務にあたる名誉ある職である。

絵は、大規模な宴会の模様を描いている。おそらく、保安官の就任儀式かなにかであろう。フランシスは妻と共に、画面最奥の場所にある、特別の椅子にこしかけている。この椅子には国家の剣が付属するなど、名誉の象徴としての意義をもつ。フランシスの出世が、この椅子で象徴されるわけである。

一方、画面左手前では、肥満した人間が肉を貪り食っている。これは飽食を戒めているのであろう。いくら出世しても、贅沢にながされないようにとの教訓であろう。

右手前には、大勢の人々がおしかけて、ご馳走にあずかろうとしている。





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