ハリー・ポッターの作者はトランスフォビア

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トランスフォビアとは、トランスジェンダーに憎悪を向けることを意味する言葉だ。その言葉によって激しい批判を浴びている者がいる。「ハリー・ポッター」シリーズの作者として知られるJ.K.ローリングだ。彼女はこの数年、トランスジェンダーへの偏見を煽ってきたとして、強い批判を浴びてきたのだったが、この度トランスジェンダーをテーマにした動画「The Witch Trials of J.K. Rowling」をポドキャストに投稿したことで、声高な批判が沸き起こった。

小生は、「ハリー・ポッター」シリーズは二作目まで読んだことがあり、その際にはトランスフォビアを意識したことがなく、また、上記のポドキャストを見たわけでもないので、彼女のトランスフォビアについて、たいして意義のあることは言えないが、彼女に対する批判記事を読むと、なかなか根の深いものを感じさせられたりする。

この動画は、タイトルからして、彼女が自分をウィッチハントの被害者として受け止めていることを語っているようである。ウィッチハントの被害者面をするのは、ドナルド・トランプも得意だが、彼女のこの動画がトランプを意識しているのかどうかはわからない。批判者の言い分によれば、この動画の中で彼女は、トランスジェンダーへの偏見を煽るような演出をしておきながら、口先ではトランスジェンダーの味方であるように装うところが悪質だということらしい。

この問題についての代表的な論文は、WebサイトDaily Beastに掲載された" Why Is Anyone Still Listening to J.K. Rowling? By Laura Bradley"と題するものである。この論文は、上記のようなローリングの二枚舌的な言説を批判したものだが、小生がそれを読んで感銘を受けたのは、日本の現状が念頭にあったからである。日本では、政治家が率先してトランスジェンダーを貶めるような言説がいまだにまかりとおっているし、また、政府にも問題を改善しようという意思は感じられない。それに比べると、一民間人である物語作者が、トランスフォビアを理由に社会的な批判にさらされるような文化のあり方は、日本の現状との間に、実に大きな落差を感じさせられる。





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