表参道ヒルズ:表参道の現代建築群

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表参道ヒルズは、旧同潤会アパートの再開発事業として建設されました(2006年竣工)。再開発を得意とする森ビルの目玉事業の一つです。森ビルの再開発ビルは、超高層ビルが多いのですが、この表参道ビルは、地上六階の中低層構造です。町の景観への配慮がうかがわれます。ただし、敷地はめいっぱい利用しており、全長250メートルの長さを誇っています。

設計は安藤忠雄。設計思想について安藤は次の二点を挙げています。一つは地下空間を最大限活用し(地下六階)、地上部分をなるべく低くすることで、欅の並木との一体感を演出すること、もう一つは、参道の緩やかな傾斜を建物にそのまま取り入れ、全体としてゆったりとした勾配をいかしたファサードつくりを心掛けたこと。

上の写真は、東側から西方向を眺めた構図。下層の三階までが商業施設、4階以上が住宅です。住宅の割合が多いのは、再開発ビルの特徴です。

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これは、東棟のメイン・エントランス。この長い建物は、東棟、西棟、同潤棟の三つの部分からなっています。

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これは、西棟のメイン・エントランス。

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これは、西のはずれから東方向を眺めた構図。建物の高さが欅の木と調和しているのが確認できます。欅の木というのは、街並みに独特の表情を与えるものです。森ビルは、再開発を通じて、町の個性を尊重するノウハウを持っているのでしょう。一方、いま騒がれている神宮の再開発では、町の個性を無視した設計のあおりで、あの地区のシンボルというべき銀杏の並木が絶滅寸前の危機に陥っています。金儲け主義が町を破壊しているのです。その破壊に東京都も手をかしているのは、なんとも異様な眺めです。

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これは同潤棟。旧同潤会の一部を保存したものである。






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