エルメス表参道、日本看護協会:表参道の現代建築群

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(エルメス表参道)

ブランド・ショップ、エルメスが入っているビルは、もともとは神宮前太田ビルといって1981年に竣工したものです。設計は竹内武弘で、基底の部分を重厚な石垣で表現していました。表参道の現代建築群の中でも、ひときわ目をひいたものです。ところが、2021年にエルメスの出店にともない、石垣部分はみっともないデザインでカバーされてしまい、かつての重厚なイメージは台無しになってしまいました。


リニューアルの設計を担当したのは、フランスのRDAI社で、一応表参道の雰囲気に溶け込むように配慮したといっていますが、どうもかれらは日本の美意識を理解していないらしく、こんなちぐはぐなデザインしか思い浮かばなかったようです。

上の写真を見て分かるように、基底部分はへんてこな形のカバーで覆われ、石垣は隠されてしまっています。それゆえビル全体は、平凡なオフィスビルのように見えます。

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これは、ビル全体を下から見上げた構図。手前のケヤキの緑のおかげで、ビルのシルエットは無難に収まっています。

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(日本看護協会)

日本看護協会ビルは、公益法人日本看護協会の本部機能が入ったビルです。表参道ヒルズの向かい側にあって、このあたりのビル群の中心となるものです。設計は黒川紀章。黒川の設計思想は、公益法人の理念を生かして、公益らしい品格を追求するとともに、町の雰囲気(それは欅のイメージということになりますが)に溶け合うようなイメージを目指したということです。

このビルの特徴は、閉鎖空間ではなく、開かれた空間ということであり、道路からストレートに建物内のミニ空間に入っていくことができます。

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このビルには、三角錐のタワーのようなものが付属しており、それが独特の景観を醸し出しています。





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