イスラエルはレイシスト国家ではないのか

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アメリカ議会下院が、「イスラエルはレイシスト国家でもアパルトヘイト国家でもない」と題する特別決議を圧倒的な多数で可決したそうだ。これはアメリカを訪問中のヘルツォグ大統領を意識してなされたものだ。というのも、下院議員であるプラミラ・ジャヤパルがイスラエルをレイシスト国家として批判したことに対して、それは下院の大部分とは全く関係のない意見であり、下院全体としては、イスラエルをレイシスト国家でもアパルトヘイト国家でもないということを、強調したかったからだ。ジャヤパル自身はパレスティナ系であり、イスラエルを支持しているアメリカ下院では、全くの異分子なのだとも言いたいようである。

下院のこの決議には、イスラエルを批判するものは、アンチ・セミニストであり、そういう点で人種差別主義者である、という主張も含意されている。イスラエル国家がパレスチナ人に対して行っている現実の人種差別的な行動を棚に上げて、アンチ・セミニズムということで、イスラエルを批判するものを人種差別主義者扱いしているわけだ。そこには、イスラエルの人種差別政策を、公然と支持する考えが反映されている。

現実を虚心に眺めれば、イスラエル国家がパレスチナ人に対して行っていることは、人種差別とかアパルトヘイトとかいった生ぬるいものではなく、ホロコーストとかジェノサイドといった言葉のほうが相応しい。ガザのゲットーに大勢のパレスチナ人を閉じ込めて、かれらを無差別に殺戮している。またヨルダン川西岸地帯ではユダヤ人による侵略を推し進めて、この地域の民族浄化を狙っている。こうしたやり方を、ホロコーストとかジェノサイドといわずして、どんな言葉がふさわしいというのか。

驚いたことに、今回の決議の内訳は、412対9という圧倒的な支持を示している。要するにアメリカ議会下院は、イスラエル国家の岩盤支持者だということである。そうした支持があればこそ、イスラエル支援のために年間40億ドル近くの巨額の予算が振り向けられている。その金を使って、イスラエル国家はパレスチナ人へのホロコースト政策を進めているわけである。だから、アメリカ議会下院は、ホロコーストに加担していることになる。





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