
シャンペン・メーカー「フランス・シャンパーニュ」がポスター作製依頼のコンペを催し、それに応募したボナールは、このポスター「フランス・シャンパーニュ(France Champagne)を制作し、それを100フランで買い取ってもらった。その頃(1890年前後)、ボナールはほかにもグラフィック作品を手掛けている。
広告ポスターらしく、構図は単純だ。若い女が左手で扇子を持ち、右手でシャンパン・グラスを持って、観客に微笑みかけている。グラスからはシャンパンの泡があふれ出ている。いかにも飲み気をそそるような図柄である。また色彩にも官能性を感じさせるようなものがある。
当時版画の巨匠と言われたジュール・シェレの影響が指摘されている。また、この版画はトゥールーズ・ロートレックに多大な影響を与えたといわれる。
(1891年 リトグラフ 77.5×57.8㎝)
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