ヒューディブラスの最初の冒険:ホガース「ヒューディブラス」への挿絵

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ウィリアム・ホガースの「ヒューディブラス」への挿絵シリーズ第三作は「ヒューディブラスの最初の冒険( Hudibras's First Adventure)」と題する。冒険とは、ヒューディブラスが、地方で騒ぎを引き起こした暴徒たちに対峙することとなり、かれらの首領を倒して、暴動の鎮圧に一役果たそうとしたことをいう。

イギリス史の専門家の近藤和彦によれば、17世紀の半ばから18世紀いっぱいにかけて、民衆の暴動が各地に発生した。それらの暴動は、食糧問題が主な原因となって起きたものだが、暴動に立ち上がった人々には相当の理由があった。自分たちが享受していた慣習が踏みにじられ、生活を脅かされた民衆が、その権利の回復を求めて立ち上がったのであり、暴動のための暴動ではなく、権利のための戦いなのであった。

だが、原作者のバトラーは、ピューリタン革命に敵意を抱いていたようであり、民衆の暴動を、ピューリタンによる暴力ととらえていたようだ。じっさいピューリタンは、国王の首をちょん切ったり、王党贔屓のバトラーにとっては、許しがたい連中と思われたようだった。

ホガースには、ピューリタンを一方的に敵視するような傾向は指摘できない。だから、民衆の暴動を、原作者のバトラーとは違った目で見ていたようである。それでも保守派の彼としては、民衆の暴動はなくもがなのことだった。この版画には、そうしたホガースの視点が反映されている。

画面左手の、馬にまたがった人物がヒューディブラス。右手には暴徒たちの集団が描かれる。画面なかほどの義足をつけた人物が、この暴動の首謀者タルゴである。ヒューディブラスはそのタルゴを倒して、付近の城に幽閉したということになっている。ヒューディブラスはまた、熊も屈服させたといっているが、その熊が何を象徴しているのか。おそらくピューリタンに親和的なホイッグを象徴しているのだと思う。ホイッグは、この時代には反王党派とみなされていたのだ。

画面左端には、両手を振り上げて何やら叫んでいる女房が描かれているが、この女房はトルーラといって、後ほど活躍する。

ホガースイギリス史の専門家の近藤和彦によれば、17世紀の半ばから18世紀いっぱいにかけて、民衆の暴動が各地に発生した。それらの暴動は、食糧問題が主な原因となって起きたものだが、暴動に立ち上がった人々には相当の理由があった。自分たちが享受していた慣習が踏みにじられ、生活を脅かされた民衆が、その権利の回復を求めて立ち上がったのであり、暴動のための暴動ではなく、権利のための戦いなのであった。

だが、原作者のバトラーは、ピューリタン革命に敵意を抱いていたようであり、民衆の暴動を、ピューリタンによる暴力ととらえていたようだ。じっさいピューリタンは、国王の首をちょん切ったり、王党贔屓のバトラーにとっては、許しがたい連中と思われたようだった。

ホガースには、ピューリタンを一方的に敵視するような傾向は指摘できない。だから、民衆の暴動を、原作者のバトラーとは違った目で見ていたようである。それでも保守派の彼としては、民衆の暴動はなくもがなのことだった。この版画には、そうしたホガースの視点が反映されている。

画面左手の、馬にまたがった人物がヒューディブラス。右手には暴徒たちの集団が描かれる。画面なかほどの義足をつけた人物が、この暴動の首謀者タルゴである。ヒューディブラスはそのタルゴを倒して、付近の城に幽閉したということになっている。ヒューディブラスはまた、熊も屈服させたといっているが、その熊が何を象徴しているのか。おそらくピューリタンに親和的なホイッグを象徴しているのだと思う。ホイッグは、この時代には反王党派とみなされていたのだ。

画面左端には、両手を振り上げて何やら叫んでいる女房が描かれているが、この女房はトルーラといって、後ほど活躍する。





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