イスラエルにはジェノサイドの権利がある スウェーデン首相の発言が波紋を

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スウェーデンのクリステション首相の発言が波紋を呼んでいる。国内の集会で、イスラエルとハマスの対立に触れたさい、イスラエルの攻撃に関して、イスラエルにはジェノサイドの権利があるというふうに受け取られたためである。スウェーデン政府はこれを誤認だとして火消しにやっきになっているようだが、どうもそう単純なことではないらしい。クリステション首相の発言は、イスラエルには Volkmord (ジェノサイド)の権利があるというものだったらしいが、これは言い間違いで、首相はイスラエルには自衛権があると言いたかったのだとスウェーデン政府は言いたいらしい.。だが、かりにその通りだとしても、クリステション首相の発言には問題があるといわねばならない。

その発言は、イスラエル支持の立場からなされたものらしい。そうだとすれば、クリステションは、イスラエルがパレスチナ人に対して行っていることを、自衛権の行使として認めていることになる。だが、実際にイスラエルがパレスチナ人相手に行っていることはジェノサイドに他ならない。だから、その行為を擁護することは、たとえ自衛権の行使だと言いつくろっても、ジェノサイドを擁護するということを意味する。

一方、スペインのサンチェス首相とベルギーのデクロー首相は、ラファ検問所を訪問したさい、イスラエルの破壊行為を非難する発言をした。二人ともジェノサイドという言葉こそ使わなかったが、イスラエルのやっていることは容認できない破壊行為であると非難した。これに対してイスラエル政府は、ヒステリックな反応を示しているそうだが、両首相とも人倫にかなった発言をしているだけで、イスラエルの反発を恐れる必要はない。

イスラエルがパレスチナ人への攻撃を、四日間という期限を限っての上とはいえ停止したことで、本格停戦への期待も生じているようだが、イスラエル政府は、一時停戦が終われば再びハマスへの攻撃を再開すると言っている。イスラエルのユダヤ人政府にとって、ハマスと普通のパレスチナ人とは区別できないので、ハマスへの攻撃の再開は、パレスチナ人の無差別虐殺の再開を意味することになる。そんなイスラエルを止めるには、国際世論が一致して圧力を加えることが必要だと思うのだが、まだまだその段階には至っていない。スペイン・ベルギー両首相の発言はまだ例外で、スウェーデンを含む大方の西側諸国は、イスラエルの自衛権という名で、ジェノサイドを容認している。





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