ホガース「勤勉と怠惰（Industry and Idleness）」シリーズの第二点目は、「キリスト教徒の義務を果たす勤勉な徒弟（The Industrious 'Prentice performing the Duty of a Christian）」と題する。二人の徒弟は、親方から日曜日を休日にしてもらい、自分なりの時間を過ごす。その時間を、フランシス・グッドチャイルドは、教会へ行くことに費やす。
この教会は「セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ」といって、トラファルガー広場の北東にある古い教会である。そこにフランシスは、親方の娘と一緒にミサに参加しに行き、讃美歌を歌う。絵は、その二人が讃美歌を歌っているところを描いている。
教会のホールは非常に広い空間である。説教壇ははるか遠くに見え、神父の姿も微細に描かれている。信者席にはおびただしい数の人が座っている。二人のいるところは、二階部分の端っこのようである。二人の後ろに、壁にもたれて居眠りしているのは、おそらくトム・アイドルであろう。また、二人を見守っている男は、親方であろう。
二人の前のほうでは、老婆がやはり讃美歌を歌っている。また、一人の女性が手すりにもたれて説教壇のほうを見下ろしている。これは、イギリスの国教会ではよく見られた光景なのであろう。
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