バイデンの再選に黄信号:米のイスラム社会が離反

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来年の米大統領選挙の勝利を目指しているバイデンに黄信号がともったと噂されている。アメリカのイスラム社会が、今般のイスラエルとハマスの戦いに関するバイデンの対応ぶりに大いに不満を抱き、来年の選挙ではバイデンに投票しないキャンペーンを始めたからだ。イスラムの人口は、そんなに多くはない。全米で350万程度だ。だが、大統領選挙の行方を左右する、いわゆるスウィング・ステートでは、選挙の結果を左右する力をもっている。それらの州で、イスラム系がかりに棄権すれば、バイデンはかなりな確率で敗北するだろうと予想されている。

その理由を見てみよう。スウィング・ステートと言われるのは、ミシガン、アリゾナ、ペンシルベニア、ウィスコンシン、ジョージアといった州だ。バイデンはこれらの州で勝利できたことで大統領になれた。ところが、いずれも僅差の差で勝ったのであり、それにはイスラム系の支持が大きな貢献をした。たとえば、ミシガンでは154000票差で勝利したが、アラブ系の有権者は278000票だった。アリゾナでは10500票差で勝ったが、アラブ系の有権者は60000票あった。ジョージアでは11800票差で勝ったが、アラブ系の有権者は57000票あった(以上Axios調べ)。これらの票がなくなれば、バイデンが勝てる見込みは非常に少なくなる。

バイデン陣営は、このことに気づいているようである。最近イスラエルに手加減するよう呼び掛けているのがその証拠だ。これまでは、イスラエルに無条件の支持を与えていたのだが、それではアラブ系ムスリムに離反されると恐れ、パレスシナ人に配慮しているふりをしているのであろう。それに対してネタニアフは、耳を貸す様子が見えない。ネタニアフにとって、バイデンが負けようが関係ない。バイデンが負けることは、トランプが勝つことを意味するが、ネタニアフにとってはそのほうが都合がいいのだ。

バイデンを勝たせなければトランプが勝つわけで、そのトランプがバイデン以上にイスラムに厳しい姿勢で臨むことは米のイスラム社会でもわかっている。それでもバイデンから離反するのは、あまりにもひどいパレスチナ人の扱い方には、はっきりとノーの意志表示をすべきだと考えているからだ。

トランプが戻ってくるのは、世界にとっていいことではない。だが、今のままでは、そうなる可能性が高い。民主党が次回の大統領選を勝つためには、バイデンにかわる候補者をかつぐほかはないだろう。





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