ノルウェー映画「バレエボーイズ」 プロダンサーを目指す少年たち

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2014年のノルウェー映画「バレエボーイズ Ballettgutteneケネス・エルベバック監督」は、プロのバレエダンサーを目指す少年たちを追跡したドキュメンタリー作品。同じダンススクールに通っていた三人の少年たちの成長する様子を、四年間かけて記録したものを編集した。男子がバレエダンサーを目指すというのは、おそらくノルウェーでも珍しいのであろう。だから、その少年たちに注目して、時間をかけてドキュメンタリーに仕上げようというアイデアが出てくるのは、不自然ではない。


三人は、同じ中学校に通い、同じダンススクールに通っているので、兄弟のように仲が良い。一人アジア系の少年が含まれているが、その少年は、人種的な差別をあまり意識していないようなので、ノルウェーは人種の多様性に寛容な社会だというメッセージを読み取ることができるように作られている。じっさいにその通りなのかは、よくわからない。

そのアジア系の少年が、一時脱落するものの、すぐに戻ってきて、三人はダンサー養成の学校への入学をめざす。それに先立って、中学校の担任による進路指導があり、ダンサーで生きていくことのむつかしさを説明したりするが、かれらの気持ちはゆるがない。一緒にダンサー養成のアカデミーを受験して、みな合格する。

ところが、かれらの一人に、イギリスのローヤルスクールからのオファーがある。バレエ界では名門とされるスクールである。そこに一人が入学したことで、三人は二手に分かれる。だが、互いの友情は続く、というような内容である。

映画が始まる時点では、まだあどけない表情の少年たちが、中学校を卒業するころには、一人前の男になりかけている。この時点で身長が180センチになった少年もいる。かれの父親はそれよりずっと背が高いから、2メートル近くあるかもしれない。そんな大柄な人間を産み出すノルウェー社会で、バレエを目指す男子の存在は、おそらく珍しいのであろう。





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