白馬 コンスタブルの風景画

| コメント(0)
constable02.1819.white.jpg

「白馬(The White Horse)」と題するこの絵は、コンスタブルの画家としてのキャリアの転換点を画した作品。これはこの絵を王立展示会に出品して高い評価を受け、しかも高額で売ることができた。この作品のおかげで、かれはローヤル・アカデミーの会員に推挙され、また画家としての名声も上がり、高額での注文を受けるようになった。

モチーフは、かれの故郷サフォーク州を流れるトアー川である。かれは故郷の風景をスケッチしたものを多く持っていて、そのスケッチの一つを、ロンドンで仕上げたものがこの絵である。この絵の成功によって、かれは一連のシリーズを制作する。それらは六フィートシリーズと呼ばれ、六作品が伝わっている。

白い馬が船に乗せられて対岸に運ばれる様子が描かれている。馬はコンスタブルの気に入っていたモチーフであり、多くの作品に繰り返し描かれている。なお、この年コンスタブルは43歳であった。画家としては決して若くはない。そんなわけか、絵の完成度は非常に高い。

(1819年 カンバスに油彩 131.4×188.3㎝ ニューヨーク、フリック・コレクション)






コメントする

アーカイブ