ストラットフォード・ミル コンスタブルの風景画

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「ストラットフォード・ミル(Stratford Mill)」と題されたこの絵は、トアー川の大作シリーズ第二作。「白馬」の成功に気をよくしたコンスタブルは、かねて計画していたウオータールー・ブリッジ架橋記念作品を放棄してこの作品の制作に取り掛かった。完成後ローヤル・アカデミー展に出品して大きな成功を収めた。また買ってくれるものもいたが、コンスタブルを満足させる額ではなかったそうだ。

モチーフは、トアー川にかかる水車小屋だ。この水車小屋は、サフォーク州のストラットフォード・セントメアリーというところにある。川が分岐して島になったところに立っている。この画面でいうと、左端である。

手前には大人と子供の併せて三人が川に釣り糸をたらし、川の向こう側には 艀が浮いている。サフォークのような平坦な土地を彩るのは、川の流れと緑豊かな樹木ということなのであろう。

当時の有力誌「エグザミナー」はこの作品を、イギリス人が描いたもっともすぐれた絵画だと評した。

(1820年 カンバスに油彩 127×182.9㎝ ロンドン、ナショナル・ギャラリー)





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