でも、長い時間、砂や、岩や、雪を突き抜けて歩いているうちに、ついに一本の道に出会ったんだ。その道の先には、人間の住んでいる場所があった。
詩人の魂
ちびっこ王子は、ある高い山に登ってみた。王子が今まで見たことのある山といえば、三つの火山だけだったけれど、みんな王子の膝くらいの高さしかなかった。休火山なんかは、腰かけがわりにしてたもんね。
ちびっこ王子が、砂漠を歩いているうちに出会ったのは、一輪の花だけだった。花びらが三つあるだけの、どうってことない花だった。
「こんにちは」 と王子は言った。
「こんにちは」 と花は言った。
「人間はどこにいるの?」 と王子は丁寧に尋ねた。
七番目の星が、地球だったんだ。
六つ目の星は、その前のより十倍も大きかった。そしてそこには、巨大な本に書き込みをしている老紳士が住んでたんだ。
「やあ、探検家じゃないか!」 ちびっこ王子を見るや否や、その老紳士は叫んだ。
五番目の星はとても変ってた。これまでのどの星よりも小さくて、街灯が一つと、その街頭に火を灯す人が一人いるだけだった。家もなければ、他に人の住んでもいない惑星なのに、街灯が一つ立ってて、それに人が火を灯してるなんて、いったいどんな意味があるんだろう、ちびっこ王子には、まったくわけがわからなかった。それで、こんなふうにつぶやいたりしたんだ。
四番めの星は、ビジネスマンの星だった。そのビジネスマンは仕事に没頭していて、王子が近づいても、頭を持ち上げもしなかったんだ。
次の星には、大酒飲みが住んでいた。ここにはちょっとしかいなかったけれど、王子はとても憂鬱な気持ちになったんだってさ。
二つめの星には、自惚れ男が住んでいた。その人は、王子をみるやいなや
「や や ファンが 来たぞ」 といった。というのも、その人にとっては、自分以外はみな、自分のファンだったのだ。
渡り鳥が飛んでいくのをみて、自分も渡り鳥に乗って、他の星に移動しよう、王子はそう思ったんじゃないかな。
やがて、この花のことが、よくわかるようになったんだ。
もともと王子の星には、花びらが一重で、場所をとらず、人の迷惑にもならない花が咲いていた。その花は、朝、葉っぱに包まれて咲き、夕方には、散ってしまうんだ。
「羊が灌木を食べるとしたら、花も食べる?」
「目にするものは、なんでも食べるんだ」
「トゲのある花でも?」
「ああ、トゲのある花でも食べるよ」
「じゃあ、トゲって何の役にたつんだろう?」
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